Sony α7C IIとFE 55mm F1.8だけで海外旅行してみた

はじめに:悩みに悩んで選んだ、55 mm一本で旅した訳

「旅にどのレンズを持っていくか?」

写真好きにとっては永遠のテーマです。

マレーシア一人旅を計画したときも、同じように悩みました。

20-70mm F4のズームにするか、それとも24-70mm F2.8 GM IIにするか……。

便利さを取るか、描写力を取るか。

でも最終的に選んだのは、単焦点のFE 55mm F1.8 ZA。

カメラよりも、旅での、そこでしか得られない体験を一番に大切にしたいと考えると、軽さが一番重要で、その次に描写力だと、思ったからです。一見、画角の制限から不便に思う人もいるかもしれません。実際、不便に思うことはありました。笑

しかし、画角が決まってる分、焦点距離を動かす必要がなく、構図において考えれば良いのは、自分の足を動かしてどこから撮影するかのみ、という単純さは、自由に動ける1人旅と、相性が非常に良く、かなり良い選択をしたなとと思っています。

カメラはSony α7C II、そしてレンズはこの1本だけ。他のレンズは持っていきませんでした。飛行機の荷物制限も余裕で通り抜けられました。笑

都市も自然も混在するマレーシアで、55 mm1本旅がどうだっか、レビューしていきたいと思います。

使用した機材について

Sony α7C II

フルサイズとは思えないほどコンパクトで、旅にぴったりなカメラ。手ブレ補正もついていて、夜の撮影でも安心感があります。

FE 55mm F1.8 ZA

各方面から神レンズと名高い、カールツァイスレンズならではのヌケ感と、F1.8の明るさが魅力の単焦点レンズ。軽いのに描写はピカイチ。旅先の風景や街並み、人物もこれ一本でなんとかなります。

リュックにカメラ1台、レンズ1本。それだけで街歩きが本当に楽でした。

実際に旅で使ってみた印象

街歩きスナップ

55mmは目で見た感覚に近く、スナップにちょうどいい画角。

路地裏や市場での撮影も、近づきすぎず、離れすぎずの絶妙な距離感が心地よかったです。

人物・ポートレート

F1.8の明るさが活きて、背景を自然にぼかしながら、柔らかな描写が得られました。観光客の賑わいの中でも主題をきちんと引き立ててくれます。

建物・風景

ここが一番の難所。ペトロナスツインタワーの全景や広大な風景を撮りたいとき、55mmだとどうしても画角が足りません。後ろに下がれる場所なら何とかなりますが、制約はありました。

同じ場所でスマホで撮影を行ったのが以下の写真です。やっぱり、広角のカメラが欲しくなる時もあります。

さらに離れてカメラで撮れば、

スマホの画角だとありがちな撮影なってしまいやすいですが、画角の制限が逆にオリジナルな写真になる可能性もあっていいと思いました。

夜景・光

この構成の最大の強み。手ブレ補正+F1.8の明るさで、三脚がなしでも全然平気。ライトアップされた建物や夜市の光も、しっかりと描写できました。

メリットとデメリット

◾️メリット

・荷物が劇的に減る

カメラバッグ無しでも余裕。旅の自由度が増します。

・構図に集中できる。

ズームがないからこそ「どこから撮るか」「何を切り取るか」に意識が向くように。実際、自分の足を動かして、被写体をどう入れるか考えるのは想像以上に楽しかったです。

・明るさで困ることはない。

暗い場所、夜、逆光など、、、単焦点の明るさは武器。

・スナップ写真に自然な距離感

地元の人々を撮るときも、近すぎず遠すぎず、ちょうどいい。

◾️デメリット

・広角が欲しくなる瞬間は何度もあった。

ピンクモスクやペトロナスツインタワーの全景、屋台の賑わいなど、、、「もっと広く撮りたい!」と思う場面は多かったです。あと、店内、寺院の内部など、動けない場面では画角の制約が顕著に。

・テーブルフォトで寄れない

FE 55mm F1.8 ZAは最短撮影距離が大きいため、現地のレストランや屋台で食べ物をとるときは想像以上に離して撮らないピントが合いません。最初は、それでも頑張って離して撮ってたんですが、旅の途中で疲れるとこの料理はスマホでいいやってなることもしばしばありました。笑

・旅の全体像を記録するには不向き

「記録」として残したい、旅行者には少し物足りないかも。むしろ「表現」向きの構成です。

まとめ:55mm一本旅は、不自由じゃなくて“自由”だった

今回のマレーシア一人旅は、「α7C IIと55mm単焦点レンズだけ」という最小構成で挑みました。

出発前は正直なところ、「これで大丈夫かな?」「ズームがあった方が便利じゃない?」という不安もありました。

でも実際に旅を終えて感じたのは、不自由さがむしろ自由をくれたということ。

広く写せない場面も、ズームが欲しい瞬間も確かにありました。

それでも、構図をじっくり考えること、歩いて寄ったり引いたりすること、そして「撮れないものは諦める」潔さが、旅の写真に自分らしさを与えてくれた気がします。

55mmという焦点距離は、人と街とのちょうどいい距離感を保ちながら、光や空気を丁寧にすくい上げてくれました。

もしこれから海外にカメラを持っていこうと思っている人がいたら、レンズ一本旅、ぜひ試してみてください。

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